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[コラム]【特集】日本の環境問題の歴史と現在──私たちにできるSDGsへの第一歩

2025.08.12

【特集】日本の環境問題の歴史と現在──私たちにできるSDGsへの第一歩

 

はじめに

日本は、戦後の急速な経済成長とともに、深刻な環境問題に直面してきました。大気汚染や水質汚濁など、かつての公害は社会全体を巻き込む大きな課題として認識され、現在に至るまでその影響はさまざまなかたちで続いています。

 

本記事では、日本の環境問題の歴史を振り返るとともに、現代社会における課題とSDGs(持続可能な開発目標)を中心とした国内外の取り組み、そして私たち一人ひとりができる実践的な行動までを、分かりやすく解説します。

1. 日本の環境問題の歴史:高度経済成長期からの転換

日本における環境問題の本格的な始まりは、高度経済成長期にさかのぼります。工業化の急速な進展に伴い、公害が社会問題化。水俣病やイタイイタイ病、四日市ぜんそくなど、いわゆる「四大公害」が発生し、多くの人々の健康や生活を脅かしました。

1970年には環境庁(現・環境省)が設置され、1993年には「環境基本法」が制定されるなど、環境保護を重視する法整備が進みました。さらに1997年には日本主導で「京都議定書」が採択され、温室効果ガス削減の国際的な枠組みが打ち出されました。

 

2. 現代日本が抱える主な環境問題

気候変動と温暖化の進行

日本の平均気温は過去100年で約1.3℃上昇しており、猛暑や豪雨などの極端気象が増加。気候変動による災害リスクの高まりは、社会基盤に深刻な影響を及ぼしています。

海洋汚染とプラスチックごみ

海洋プラスチック問題は国際的にも注目され、日本でも海岸に流れ着くごみや、魚介類に混入するマイクロプラスチックが深刻な課題です。

大気汚染と健康リスク

窒素酸化物やPM2.5といった有害物質は、呼吸器疾患のリスクを高める原因となっています。特に都市部では、大気の質改善が急務です。

森林減少と生物多様性の喪失

都市化やインフラ整備による森林の減少により、生態系のバランスが崩れ、多くの動植物が絶滅の危機に直面しています。

 

3. 日本と世界の環境問題の違いと共通点

日本は「2050年カーボンニュートラル」を掲げ、再生可能エネルギーの導入を進めています。一方、北欧諸国では風力やバイオマスを中心とした再生エネ比率が非常に高く、EU全体で循環型経済の推進が進んでいます。

また、アメリカや中国でも国家主導での気候変動対策が進展しており、日本も国際的な連携と技術革新を両輪にして対応を進める必要があります。

 

4. SDGsと日本の取り組み

SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」や目標12「つくる責任 つかう責任」に基づき、日本ではさまざまな主体が取り組みを展開しています。

  • 自治体:ゼロカーボンシティの宣言
  • 企業:ESG経営の導入と脱炭素投資
  • 市民:プラスチック削減やリサイクル意識の向上

大阪府吹田市では2025年よりすべての公共施設で再生可能エネルギーを100%導入する取り組みも始まっており、地域発のイノベーションが全国に広がりつつあります。

 

5. 私たちにできる環境アクション

日常生活でできること

  • マイバッグ・マイボトルの使用
  • 地元産の食材を選ぶ
  • 電気・水の節約
  • ごみの分別とリサイクル

地域との連携

地域の清掃活動や植林、環境イベントへの参加も効果的です。家族や職場単位での取り組みも、意識向上に繋がります。

 

6. 未来に向けた環境対策の課題と展望

循環型経済の構築、教育機関での環境教育強化、持続可能なビジネスモデルの開発は、今後の日本にとって重要な課題です。

また、再生可能エネルギーや水素エネルギー技術などの導入・拡大を図りながら、若年層への啓発活動を通じて長期的な環境意識の定着を目指すことも必要です。

 

まとめ:環境問題の歴史を知り、次の一歩を

日本は公害という苦い経験を乗り越え、環境問題に真摯に向き合ってきました。現在も気候変動や廃棄物の増加、生物多様性の喪失といった課題は山積しています。

私たち一人ひとりが日々の生活の中で環境への配慮を意識することが、持続可能な未来を築くための第一歩となります。夏休みという節目にこそ、地球と向き合う時間をつくってみてはいかがでしょうか。

 

参考:日本の環境問題とは?歴史と影響を解説 課題解決に向けたSDGsの取り組みも紹介

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