[コラム]2025年夏は全国的な猛暑に警戒を!気象庁が「10年に一度の高温」予測と対策を発表
2025.07.08
2025年の夏、日本列島は記録的な猛暑に見舞われる見通しです。
気象庁は、7月から9月にかけて全国的に暖かい空気に覆われ、「例年にない高温が続く」とする3カ月予報を発表しました。特に7月6日から14日、さらには9日から17日にかけては「10年に一度」のレベルの暑さになると予測し、早期天候情報として注意喚起を行っています。
気象庁が発表した猛暑の根拠とは?
気象庁の分析によると、今年6月の全国平均気温は統計開始以来最高の+2.34度を記録し、東京都心では真夏日(最高気温30度以上)が13日間連続で続きました。
西日本では6月27日に記録的な早さで梅雨が明け、平年より約3週間も早い異常気象となりました。
これらの現象の背景には、太平洋高気圧の勢力が例年よりも強まっていること、偏西風が北寄りに流れ前線の影響を受けにくくなっていることが挙げられます。加えて、海面水温の変化も影響しており、フィリピン東方やインド洋東部では高温、太平洋中部では低温の傾向が見られるとのことです。
熱中症対策の徹底を呼びかけ
環境省と気象庁は、6月27日に「熱中症予防を万全に」と題した共同文書を公表し、「暑さ指数(WBGT)や熱中症警戒アラートを参考に、早めの予防行動を心がけてほしい」と注意を促しました。2024年の夏には熱中症による死者が過去最多の2,033人にのぼっており、今年も同様のリスクが懸念されています。
特に乳幼児、高齢者、持病を抱える方は「熱中症弱者」とされ、より一層の注意と配慮が必要です。冷房の使用、水分補給、無理な外出の回避など基本的な対策を改めて見直すことが求められています。
「防災学術連携体」が市民向けに緊急メッセージ
気象庁と連携する防災学術連携体も、今夏の異常気象に対する市民の意識向上を図るため、「2025年夏秋の気象災害に備えましょう」と題したメッセージを発表。東京大学名誉教授の中村尚氏は、日本近海で発生している「海洋熱波」によって、局地的大雨や線状降水帯の発生リスクが高まっていると警鐘を鳴らしました。
また、東京大学教授で土木学会会長の池内幸司氏は、豪雨や台風による土砂災害に備えるため、「ハザードマップの活用と避難計画の事前確認が重要だ」と述べ、市民の自助・共助意識を高めるよう呼びかけました。
今後の気象動向と複合災害への備えを
防災の専門家たちは、今後の猛暑や豪雨、さらには地震などが重なることで「複合災害」が発生する可能性が高まると警告しています。特に地理的・時間的に重なると被害が拡大しやすいため、日頃から気象情報を確認し、地域の自主防災組織や家族と連携を取っておくことが重要です。
米田雅子氏(防災学術連携体副代表幹事)は「日常的に防災意識を高め、避難方法や連絡手段を確認しておくことが被害軽減につながる」と話しています。